ブーケ・リハーサル
【3】電話の向こう
『もしもし、高山さん?』
えっ?
あまりにびっくりして、スマホを耳から離した。画面を見ると“古賀副社長”と表示されている。
やらかした!
震える手でスマホを耳に戻す。
「あの、夜分遅くに申し訳ありません。間違えて副社長に電話をしてしまいました。お休み中のところ、大変申し訳ございません」
相手には見えないと分かっていても、正座をして頭を下げた。それは所謂土下座だ。
『気にしなくていいよ。誰にでも間違いくらいあるから。それに起きていたから、大丈夫だよ』
「本当にすみません」
『いいよ。それより、今日は妹のことありがとう』
「いえ。妹さんからお預かりしたトートバッグは?」
『ちゃんと受け取ったよ』
樹里さんからの荷物のことが確認できてよかった。はやく電話を切らなくては。
「そうですか。私はこれで失礼します」と言って、電話を切ろうとした時だった。
『待って!』
副社長がそれを止めた。なにか仕事のことでも思い出したのだろうか。そう思い、スマホを耳に当てたままでいると『今、映画観てる?』と聞かれた。
えっ?
あまりにびっくりして、スマホを耳から離した。画面を見ると“古賀副社長”と表示されている。
やらかした!
震える手でスマホを耳に戻す。
「あの、夜分遅くに申し訳ありません。間違えて副社長に電話をしてしまいました。お休み中のところ、大変申し訳ございません」
相手には見えないと分かっていても、正座をして頭を下げた。それは所謂土下座だ。
『気にしなくていいよ。誰にでも間違いくらいあるから。それに起きていたから、大丈夫だよ』
「本当にすみません」
『いいよ。それより、今日は妹のことありがとう』
「いえ。妹さんからお預かりしたトートバッグは?」
『ちゃんと受け取ったよ』
樹里さんからの荷物のことが確認できてよかった。はやく電話を切らなくては。
「そうですか。私はこれで失礼します」と言って、電話を切ろうとした時だった。
『待って!』
副社長がそれを止めた。なにか仕事のことでも思い出したのだろうか。そう思い、スマホを耳に当てたままでいると『今、映画観てる?』と聞かれた。