ブーケ・リハーサル
「こうやって続編へ続くんですね」
『え? これ続編があるの?』
「はい。ブラック・エンドってタイトルで。DVDでも発売されているんで、レンタルも可能かと」
『そうなんだ。今度、借りよう』
副社長の楽しそうな声を初めて聞いた。副社長と顔を合わせたのは昨日と今日だけだし、私も秘書二日目で必死だ。副社長が楽しそうにしている顔なんて考えたこともなかった。
プライベートの副社長はこんな感じなんだ、と思った。
『ごめん、引き留めてしまって。夜も遅い。もう休んだほうがいい』
「はい。失礼します」
『うん。おやすみ』
「おやすみなさい」
電話を切り、スマホの画面を操作する。どうやら発信履歴ではなく、着信履歴のほうを誤って操作し、副社長に電話をかけてしまったらしい。
仕事ではこういうミスをしないように気を付けないと。そう心に留めて、スマホを充電器に繋いだ。
テレビを消し、ベッドに横になる。今日は珍しくスーッと眠ることができた。
次の日、副社長が出社し、秘書が全員で「おはようございます」と挨拶をする。そのとき、一瞬、副社長と目が合う。その目は少し優しそうな目をしていた。
副社長の予定を確認すると、今日は夕方から会食があるだけだった。
『え? これ続編があるの?』
「はい。ブラック・エンドってタイトルで。DVDでも発売されているんで、レンタルも可能かと」
『そうなんだ。今度、借りよう』
副社長の楽しそうな声を初めて聞いた。副社長と顔を合わせたのは昨日と今日だけだし、私も秘書二日目で必死だ。副社長が楽しそうにしている顔なんて考えたこともなかった。
プライベートの副社長はこんな感じなんだ、と思った。
『ごめん、引き留めてしまって。夜も遅い。もう休んだほうがいい』
「はい。失礼します」
『うん。おやすみ』
「おやすみなさい」
電話を切り、スマホの画面を操作する。どうやら発信履歴ではなく、着信履歴のほうを誤って操作し、副社長に電話をかけてしまったらしい。
仕事ではこういうミスをしないように気を付けないと。そう心に留めて、スマホを充電器に繋いだ。
テレビを消し、ベッドに横になる。今日は珍しくスーッと眠ることができた。
次の日、副社長が出社し、秘書が全員で「おはようございます」と挨拶をする。そのとき、一瞬、副社長と目が合う。その目は少し優しそうな目をしていた。
副社長の予定を確認すると、今日は夕方から会食があるだけだった。