ブーケ・リハーサル
「こちらは仮の社員証になります。会社から出るとき、入るときに必要になります。また、会議室や資料室など場所によっては、この社員証をかざさないと入れない場所があります。社員証は必ず携帯してください」
「わかりました」
「では、行きましょう」
加藤さんに後についてゲートを通り抜け、エレベーターに乗った。最上階である十八階のボタンを加藤さんは押した。
一瞬、何故と思った。私みたいな平社員がそんな上の階に行く必要があるのだろうか、と。
そんな疑問を持ちつつ、鞄からIDケースを出した。手渡された社員証を入れ、首にかける。念のため持ってきておいてよかったと思いながら、みぞおち辺りにぶら下がるカードを眺めた。
高山 由梨 秘書課。えっ……、ヒショカ?
「あの、私、秘書課なんですか?」
「はい。詳しいことは、フロアについてから説明いたします」
「わかりました」
どうして秘書課に配属されることになったんだ。事務の採用試験だったのに。辞めてきた会社だって、総務部だったし。
そんなことを考えながら、一つずつ増えていく数字を眺めた。十八階に着き、エレベーターを降りる。加藤さんの背中を見ながら歩き、秘書課と書いてあるドアの前に来た。
「ここに社員証をかざしてください」
ドアの横にある機械にカードをかざすと、低いノイズが鳴る。すると機械に青いランプが点いた。
「青いランプがつけば、中に入れます。どうぞ」
「わかりました」
「では、行きましょう」
加藤さんに後についてゲートを通り抜け、エレベーターに乗った。最上階である十八階のボタンを加藤さんは押した。
一瞬、何故と思った。私みたいな平社員がそんな上の階に行く必要があるのだろうか、と。
そんな疑問を持ちつつ、鞄からIDケースを出した。手渡された社員証を入れ、首にかける。念のため持ってきておいてよかったと思いながら、みぞおち辺りにぶら下がるカードを眺めた。
高山 由梨 秘書課。えっ……、ヒショカ?
「あの、私、秘書課なんですか?」
「はい。詳しいことは、フロアについてから説明いたします」
「わかりました」
どうして秘書課に配属されることになったんだ。事務の採用試験だったのに。辞めてきた会社だって、総務部だったし。
そんなことを考えながら、一つずつ増えていく数字を眺めた。十八階に着き、エレベーターを降りる。加藤さんの背中を見ながら歩き、秘書課と書いてあるドアの前に来た。
「ここに社員証をかざしてください」
ドアの横にある機械にカードをかざすと、低いノイズが鳴る。すると機械に青いランプが点いた。
「青いランプがつけば、中に入れます。どうぞ」