ブーケ・リハーサル
加藤さんに促され、開け放たれたドアへ足を進めた。
中には課長らしき男性が一人居るだけだった。あとは、誰も座っていないデスクが三つあるだけだ。
「佐々木課長、今日から配属になる高山さんをお連れしました」
佐々木課長はイスから立ち上がり、笑顔で私の前に来た。
「初めまして、課長の佐々木です」
「初めまして、高山です。どうぞよろしくお願いいたします」
私はとりあえず頭を深々と下げた。
「では、私はこれで失礼します」
加藤さんはそう言うと、早々に部屋を出て行ってしまった。
「いや、すぐに新しい人が入ってもらえて安心しました。こちらに座ってください」
部屋の端にある、応接セットのソファを勧められた。私が座ると、佐々木課長が向かいに座る。
「早速で申し訳ないですが、仕事の説明に」
「あの、一つお伺いしてもよろしいでしょうか?」
「どうぞ」
「ありがとうございます。私は事務として中途採用されたはずですが、なぜ秘書課の配属になったんでしょうか?」
「ああ、これは失礼。まず、そこを説明しないといけませんね。実は、副社長の第二秘書が病気療養のために、退職をしたんです。本来なら中途採用の募集をかけるか、社内の中から適任者を選んで異動するか、なんですが。副社長が中途採用で最終面接に残った人の履歴書と採用試験で書いた小論文、それから最終面接を見て、高山さんを秘書課に採用したいと」
中には課長らしき男性が一人居るだけだった。あとは、誰も座っていないデスクが三つあるだけだ。
「佐々木課長、今日から配属になる高山さんをお連れしました」
佐々木課長はイスから立ち上がり、笑顔で私の前に来た。
「初めまして、課長の佐々木です」
「初めまして、高山です。どうぞよろしくお願いいたします」
私はとりあえず頭を深々と下げた。
「では、私はこれで失礼します」
加藤さんはそう言うと、早々に部屋を出て行ってしまった。
「いや、すぐに新しい人が入ってもらえて安心しました。こちらに座ってください」
部屋の端にある、応接セットのソファを勧められた。私が座ると、佐々木課長が向かいに座る。
「早速で申し訳ないですが、仕事の説明に」
「あの、一つお伺いしてもよろしいでしょうか?」
「どうぞ」
「ありがとうございます。私は事務として中途採用されたはずですが、なぜ秘書課の配属になったんでしょうか?」
「ああ、これは失礼。まず、そこを説明しないといけませんね。実は、副社長の第二秘書が病気療養のために、退職をしたんです。本来なら中途採用の募集をかけるか、社内の中から適任者を選んで異動するか、なんですが。副社長が中途採用で最終面接に残った人の履歴書と採用試験で書いた小論文、それから最終面接を見て、高山さんを秘書課に採用したいと」