ブーケ・リハーサル
私はバッグからメガネを出し、それを掛けた。
「綺麗な方ですね。今日、お会いできなくて残念です」
スマホの画面から顔を上げ、社長の顔を見た。
「君、それは」
「これは、今日、目の調子が悪くてコンタクトができなかったので」
「それはロードンのメガネかい?」
「はい」
「なるほど、ドレスとこんなに親和性の高いメガネがあるとはね。いいね。古賀副社長、コラボ企画について今度じっくり話そう」
「ありがとうございます」
良かった。これで足掛かりがちゃんとできた。
副社長があからさまにメガネを掛けるのはよくないと言っていた。なら、必然を持たせればいいと思った。運よくそのタイミングが来たのだ。
パーティーは無事に終わり、帰りは副社長の運転する車で送ってもらうことになった。
「パーティーではお酒が飲めなくて残念でしたね」
「仕事を兼ねているパーティーではアルコールは控えたくて、こうやってわざと自分で車を運転してくるんだ」
「策士ですね」
「君ほどではないよ。あのメガネはやられた」
「お褒めの言葉ありがとうございます」
電話してるときみたいな会話ができる。それがうれしかった。
「少し寄り道をしてもいいかな?」
「はい」
「綺麗な方ですね。今日、お会いできなくて残念です」
スマホの画面から顔を上げ、社長の顔を見た。
「君、それは」
「これは、今日、目の調子が悪くてコンタクトができなかったので」
「それはロードンのメガネかい?」
「はい」
「なるほど、ドレスとこんなに親和性の高いメガネがあるとはね。いいね。古賀副社長、コラボ企画について今度じっくり話そう」
「ありがとうございます」
良かった。これで足掛かりがちゃんとできた。
副社長があからさまにメガネを掛けるのはよくないと言っていた。なら、必然を持たせればいいと思った。運よくそのタイミングが来たのだ。
パーティーは無事に終わり、帰りは副社長の運転する車で送ってもらうことになった。
「パーティーではお酒が飲めなくて残念でしたね」
「仕事を兼ねているパーティーではアルコールは控えたくて、こうやってわざと自分で車を運転してくるんだ」
「策士ですね」
「君ほどではないよ。あのメガネはやられた」
「お褒めの言葉ありがとうございます」
電話してるときみたいな会話ができる。それがうれしかった。
「少し寄り道をしてもいいかな?」
「はい」