ブーケ・リハーサル
車は小高い公園に着いた。公園から見える夜景はすごくきれいだった。
「こんな場所、あるんですね」
「由梨」
呼ばれたほうを向くと、白いバラの花束を持った副社長がいた。
「ブーケトス。由梨、絶対に掴め!」
舞い上がったブーケを掴んだ。
「おめでとう。幸せになれるブーケだよ、それ」
「ありがとうございます。でも、相手いないから、探すところから始めないと」
「目の前にいるでしょ。俺が幸せにするから。俺はプロポーズの時以外は結婚したいくらいなんて言葉言わないから。俺は誠実な男だよ」
「樹里さんから聞いたんですね」
「ああ。君を秘書に採用したのは直感だったんだ。この子はいいって。でも、それって一目惚れだったのかもな、とも思う。話をすればするほど、もっと一緒に居たくなった」
職権濫用だと言おうかとも思ったけど止めた。副社長ともっと話がしたいから。未来の話が。
「私、夏嫌いのエリーズさんに言ったんです。人は目からも、耳からも涼しさを感じるんです。そうすることで、肌で感じる暑さを減らしますって。私はそうやって幸せを感じたいんです。副社長、じゃなくて、浩紀さんの声から幸せを感じたいし、ぬくもりから幸せを感じたい。それから一緒にいる時間から幸せを感じたい。電話してるとき浩紀さんがどんな顔で笑っているか見たかった」
「こんな場所、あるんですね」
「由梨」
呼ばれたほうを向くと、白いバラの花束を持った副社長がいた。
「ブーケトス。由梨、絶対に掴め!」
舞い上がったブーケを掴んだ。
「おめでとう。幸せになれるブーケだよ、それ」
「ありがとうございます。でも、相手いないから、探すところから始めないと」
「目の前にいるでしょ。俺が幸せにするから。俺はプロポーズの時以外は結婚したいくらいなんて言葉言わないから。俺は誠実な男だよ」
「樹里さんから聞いたんですね」
「ああ。君を秘書に採用したのは直感だったんだ。この子はいいって。でも、それって一目惚れだったのかもな、とも思う。話をすればするほど、もっと一緒に居たくなった」
職権濫用だと言おうかとも思ったけど止めた。副社長ともっと話がしたいから。未来の話が。
「私、夏嫌いのエリーズさんに言ったんです。人は目からも、耳からも涼しさを感じるんです。そうすることで、肌で感じる暑さを減らしますって。私はそうやって幸せを感じたいんです。副社長、じゃなくて、浩紀さんの声から幸せを感じたいし、ぬくもりから幸せを感じたい。それから一緒にいる時間から幸せを感じたい。電話してるとき浩紀さんがどんな顔で笑っているか見たかった」