ブーケ・リハーサル
パーティーなんて言葉が出てきたときはびっくりしたけれど、少し安心した。年がら年中、パーティーが催されては仕事にもならないだろう、と一人納得した。
「じゃあ、高山さんはそこのデスクを使ってください」
佐々木課長が指示したデスクは出入りに一番近い所にあった。鞄をデスクの下に置き、パソコンの電源を入れる。パスワードや社内メールの使い方、共有フォルダの使い方などをひと通り、佐々木課長から教えてもらった。
壁に掛かっているホワイトボードを見ると、他に二人の秘書がいることが分かった。名前は松井さんと田中さんと言うらしい。
佐々木課長から初仕事として頼まれた、お中元用の宛名書きをしているときだった。ドアの開く音がし、振り向くと、少し目つきの鋭い男性とモデルかと思うような男性が入ってきた。
「ただいま戻りました」
目つきの鋭いほうの男性が言った。佐々木課長が立ち上がり、私も急いでイスから立ち上がった。佐々木課長が笑顔で「お疲れ様です」と言い、私も同じように言う。
「副社長、田中さん。本日より副社長の第二秘書として配属となった高山さんです」
「初めまして、高山です。どうぞよろしくお願いいたします」
お辞儀をし、顔を上げると、田中さんの目つきが柔和になる。そして田中さんの隣にいた、副社長が一歩前に出た。
「副社長の古賀です。よろしく」
「よろしくお願いいたします」
近くで見ると背も高く、体型もモデルのようだった。ダークグレーのスーツにブルーのネクタイ。ネクタイと同じ色のハンカチーフが胸ポケットに入っていた。
「じゃあ、高山さんはそこのデスクを使ってください」
佐々木課長が指示したデスクは出入りに一番近い所にあった。鞄をデスクの下に置き、パソコンの電源を入れる。パスワードや社内メールの使い方、共有フォルダの使い方などをひと通り、佐々木課長から教えてもらった。
壁に掛かっているホワイトボードを見ると、他に二人の秘書がいることが分かった。名前は松井さんと田中さんと言うらしい。
佐々木課長から初仕事として頼まれた、お中元用の宛名書きをしているときだった。ドアの開く音がし、振り向くと、少し目つきの鋭い男性とモデルかと思うような男性が入ってきた。
「ただいま戻りました」
目つきの鋭いほうの男性が言った。佐々木課長が立ち上がり、私も急いでイスから立ち上がった。佐々木課長が笑顔で「お疲れ様です」と言い、私も同じように言う。
「副社長、田中さん。本日より副社長の第二秘書として配属となった高山さんです」
「初めまして、高山です。どうぞよろしくお願いいたします」
お辞儀をし、顔を上げると、田中さんの目つきが柔和になる。そして田中さんの隣にいた、副社長が一歩前に出た。
「副社長の古賀です。よろしく」
「よろしくお願いいたします」
近くで見ると背も高く、体型もモデルのようだった。ダークグレーのスーツにブルーのネクタイ。ネクタイと同じ色のハンカチーフが胸ポケットに入っていた。