ONLY YOU~愛さずにはいられない~(完)
「こっちだ、間宮」

私は彼に案内されるまま、オフィスの中に足を踏み込んだ。
「チーフ、先ほど、「光化学」の内藤部長から電話がありました」

「そう、ありがとう」

「チーフ、この書類に目を通してください」

「後にしてくれ」
フロア内は、全面硝子で仕切られ、縦型のブラインドで目隠しをするタイプのオフィスだった。

伊集院さんの顔を見るなり、皆が話し掛けて来る。

「此処が俺の執務室だ」

彼は私を中に入れるとドアを閉めて、ブラインドを閉じた。

私は制服のスカートのポケットの中に忍ばせたスマートフォンで時間を確かめる。

「羽島課長には許可を取ってるから…大丈夫だ…まぁ、座って…」



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