ONLY YOU～愛さずにはいられない～(完）

「嬉しいな…璃愛が初めて俺の名前を呼んでくれた」

「それって…二人で住むんですか？」

「表向きは…でも、虎兄やラッキーも一緒だ・・・」

相良さんもラッキーも一緒。
ふたりじゃないと訊いて、心に少しだけ寂しさが溢れる。

―――私はやっぱり彼がスキ。
でも、母のコトの考えるとそれは無理な話。

「それは無理です」

彩華の時と同じように断ってしまった。

「どうして？」

「認知症の祖母の世話を母一人には任せられません…」

「君の苗字が変わったのは両親の離婚のせい？」

「あ、はい…」

「分かった…同棲は止めよう。でも、敦司さんには話を通したい。結婚は未定でもいいから・・・敦司さんにその意思を伝えておけば…強い味方になる。いいかな？」

遠慮げに言う彼だけど。
私に責任感に付け込み、どんどん話を進める。