ONLY YOU~愛さずにはいられない~(完)
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「はい、眼鏡」

私は有次さんから眼鏡を受け取り、鏡の中の自分を覗き込む。

「これが私・・・!?」

彼は康秋さんのリクエスト通り、仕上げた。

真っ黒だった髪は明るめのブラウン系のカラーリングに染め上げ、軽く毛先をすいて、全体的にゆるふわのデジタルパーマがかかっていた。

「普段のスタイリングには困らないように仕上げておいたから…」

「ありがとうございます」

康秋さんのソファから腰を上げ、私のそばに来て、毛先を弄りながら鏡を覗いた。

「重たい雰囲気はなくなったな…今度は服だな」

「それよりもお金は?」

「お金はカードで」

康秋さんが私が払うよりも先に、財布からカードを一枚抜き取り、有次さんに渡した。

「毎度あり」

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