ONLY YOU~愛さずにはいられない~(完)
「おはようございます。羽島課長」

いつもの調子で羽島課長に挨拶をすると彼の顔がフリーズした。

「間宮さん?」

「あ、はい…そうですけど…」

「確かに声は間宮だ…」

「眼鏡は?」

「今日は久しぶりにコンタクトレンズにしました」


「コンタクトか…いつもの眼鏡がないから…別人に見えるぞ…康秋にコンタクトにしろと言われたのか?」

「はい…」

「そうか…その方がいいぞ…髪型も変わってるし…康秋のアドバイスか…さすがは元芸能人。自分を良く魅せる術は熟知してるな。お前にそれを応用し、お前以上にお前の良さを見抜いてるぞ」

「羽島課長…」

「アイツ、本気だ…お前もそうだろ?」

「私は…」

「朝礼の時間だ…」

羽島課長は椅子から立ち上がった。

私の良さか…

彼の好みではなく、彼が私を美しく魅せる為の変身を施したってコトか…

< 150 / 245 >

この作品をシェア

pagetop