ONLY YOU~愛さずにはいられない~(完)
伏し目がちにスマホを見つめる彼の双眼。
睫毛の影は妙に妖艶な感じ。

「何?」

彼は私の視線を感じ、私の方を見る。

「別に…」


私はサーモンを口に運び、モスコを飲む。

「サーモンじゃだけじゃ足りない?」

「いえ」
康秋さんもカラダを起こし、サーモンを食べる。
そして、アールベックを飲み干した。

「何かオーダーします?」

二人だけの空間に息苦しさを感じ、別の誰かを呼ぼうとアラカルトを手に取った。

「少しくらい…甘い雰囲気作る?」

「・・・目瞑って…俺だと思わず、他の男想像していいから…キスしようか?」

彼の方から私にキスをねだる。

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