ONLY YOU~愛さずにはいられない~(完)
「嫌いな割には手握っても、肩抱いても全然嫌がらないよな…キスはどうなの?」
嫌いも何も最初から貴方のコトスキだし。
でも、貴方は私のコトを本当にスキかどうかわからない。
「す、少しぐらいなら…いいわよ」
「いいの?」
彼の瞳がパッと輝き、柔らかな笑みを口許に湛える。
でも、貴方はキスをしながら私ではなく香波さんのコトを思っている。
「じゃ目を瞑って…」
私は瞳を閉じて、彼のキスに応じた。
彼は私の唇にゆっくりとキスを落として、唇の僅かな隙間に舌を差し入れた。
私には合わなかったウィスキーの味が口内に広がる。