ONLY YOU~愛さずにはいられない~(完)
「彼女が敦司君の言っていた間宮さんか…康秋」

「はい…」

「初めまして…間宮璃愛です」

璃愛は緊張のし過ぎか声が裏返ってしまった。

俺はそんな彼女が可愛くてクスクス笑う。

「此処では何だし、外に出る?お爺様」

「そうだな…」

俺がお爺様の車椅子を押して、エレベータ―ホールに向かう。

俺の脇を歩く璃愛。

「わしは二人を祝福するぞ…」

「そう?ありがとう…お爺様」

「結婚は早い方がいい…」

「やっぱり…」

エレベーターに乗り込み、一階へと降り庭に続くスロープをゆっくりと下った。

海が一望できる庭に到着する。

春の麗らかな空気と潮風が俺達の鼻腔を擽った。

「足腰はもうダメだが…頭は達者で良かった…認知症なんかになったら、康秋お前のコトを忘れてしまうからな…」

「大丈夫…お爺様が忘れても…俺が憶えてるから…」



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