ONLY YOU~愛さずにはいられない~(完)
相良家の墓石の前に優華さんが立ち、手を合わせていた。

「やっぱり…君だったのか…時々紫苑の花を手向けていたのは…」

「・・・貴方はコーガ…」

「康秋さん…?」

「彼女は香波の親友だ…」

「えっ?」

「君の親友の彩華さんを紹介された時、似てると思ったんだ…苗字も同じだし…訊いてみれば、香波と同い年の姉が居ると言った。名前も同じだ…」


「二人…結婚するんでしょ?優華から訊いたわ」

「そっか…」

「でも、こうやって紫苑の花を探し出して、手向けるのは大変だろ?大体、雑草扱いで、普通のフラワーショップには売ってない花だ。おまけに秋の花だし…」


「・・・そうね…」

優華さんの手向けた紫色の小さな花を三人で見つめる。

「・・・私が全ての元凶だから…忘れてはいけない…そう思ってこの十年間…過ごして来た…」



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