ONLY YOU~愛さずにはいられない~(完)
「璃愛ちゃんの心臓が香波の心臓?」

「・・・香波は十四歳で、心臓移植でしか生き長らえない璃愛に命を与えた…俺が璃愛をスキになったのは香波がきっかけだ。でも、俺は璃愛を誰よりも愛してる…この先の彼女を幸せにして生きたいと思っている・・・」


「香波は生きている…本当の話なの?璃愛ちゃん」

優華さんが私に近づき、胸の辺りを手をあてた。

「貴方と話をしているとまるで、香波と話をしているように思えたのは気のせいじゃないのね…」

「優華さん!?」

「ゴメン…抱き締めてもいいかな?」

「えっ!?あ・・・」

優華さんは私を抱き締める。

そして、優華さんは哀惜の念を堪え切れず、泣き出した。

「ゴメンね…香波…ゴメン…」

嗚咽を混じらせ、何度も謝罪を繰り返す優華さん。

私の心臓も彼女の感情に呼応し、拍動を跳ね上げる。

私の意思とは裏腹に瞳からは涙が溢れた。

香波さんが優華さんに共感して泣いているーーー・・・


私も優華さんを抱き締めて、二人で涙が枯れるまで泣いた・・・



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