ONLY YOU~愛さずにはいられない~(完)
母は二人の為に、お寿司の出前を頼んで持て成した。

「伊集院元総理、ビール飲みますか?」

「ビールですか…あ…そうですね…」

「俺は運転なので、ノンアルでお願いします…お義母さん」


「分かってますよ…」
母は甲斐甲斐しく、二人の為にキッチンへと足を運び、冷蔵庫から缶ビールを取り出す。

「何だ?もうお義母さんと呼んでるのか?」

「ダメですか?」

「いや…ダメではないが…」

「はい、どうぞ」

康秋さんにはノンアルの缶ビール。敦司さんには缶ビールを渡した。

「何だか・・・康秋お前すっかり…間宮家に馴染んでるな…」

「まぁ~実は此処に住んでるんです…」

「そうなのか!?」

「まぁー・・・同居人が彼女と同棲を始めて…」
その同居人は相良さんと彩華。

ニャーとラッキーもお寿司のネタの匂いで縁側からダイニングルームへとやって来た。

「この猫は…康秋の猫のラッキーだな…」

「はい…猫と一緒に引っ越して来たんです…」

「結婚してからも此処に住むのか??」

「まぁ―・・・そのつもりです…」

「そうか…」

全ては祖母の介護をする母の為。
互いの家への挨拶を終え、私達の結婚は現実味を増した。
< 230 / 245 >

この作品をシェア

pagetop