ONLY YOU~愛さずにはいられない~(完)
「今日はお疲れ様・・・」

私は窮屈だった振袖を脱ぎ、普通のスーツに着替え直した。

「えっ!?振袖!?脱いじゃったの?」

「だって…」

「しんどそうなのは分かってたけど…」

「ゴメン…」

「いいよ…」

彼は燕尾服姿のまま。
私達は硝子のエレベーターに乗り込んで、今夜宿泊するスイートルームへと移動する。

「今度は相良家でパーティだな…」


「うん」

世界のVIPが利用するというエクゼクティブスイート。

重厚な輸入家具と調度品に囲まれたリビングルーム。
大理石のバスルーム。
そして、ダイニングルームにベットルーム。

「何だかマンションみたい…キッチンがあれば…住めるわね…」


「そうだな…」

二人になった途端、彼は私の腰許を抱き寄せ、キス。

「や、康秋・・・さん!?」

性急に幾度も降り注ぐキス。
彼のキモチの昂ぶりが分かる。

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