ONLY YOU~愛さずにはいられない~(完)
彼は次会う約束を取り次ごうとしていた。

「誰か誘いたいなら、誘ってもいいよ。でも、今日みたいに勝手には連れて来ないで」

「ゴメンなさい…」

「間宮も食べたら?」

「あ、はい」
私はベーグルのハムサンドに手を伸ばした。
「まぁ、最初の印象が悪いから…嫌われるのは無理もないけど…」

「えっ?」

「俺、間宮に突然キスしちゃったし」

彼は私が忘れていたコトを蒸し返して来た。

「別に…あれは気にしていません」

「じゃまたキスしていい?」

「それは…困ります。それに私達は友達でしょ?」

「残念だけど…友達だ…」

彼は惜しそうに呟きながら、ミラノサンドをまた齧った。
彼の瞳に切なげな色が宿る。するとまた…私の胸が苦しくなる。

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