ONLY YOU~愛さずにはいられない~(完)
幸い、彩華の命は助かった。
「後少し…発見が遅れていたら、危なかったと医師に言われたわ…」

彩華の命を救ったのは近くに住む姉の優華さんだった。

彩華は大手IT企業に勤め、最近一人暮らしを始めたばかり。
今住んでるマンションは優華さんが見つけた物件。
彩華に一緒に住まないかと誘われたけど、認知症を患った祖母の介護を母一人には任せられなかった。

私と優華さんは静かに眠る彩華の顔を見て安堵した。そして、ICUを出て薄明りの休憩ルームの椅子に腰を下ろした。

「原因は猪原君よね…」

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