ONLY YOU~愛さずにはいられない~(完)
《9》ラズベリードリーム

璃愛sideー

私の心臓が彼の義理の妹であり、恋人だった香波さんのモノだと知った。
彼はそのコトに気づき、私につき纏っていた。

きっと相良さんから話を訊いたのだろう。
彼のラインが途切れてしまった。

でも、私はラインを覗き、彼の連絡を待った。

給料日。
一階の給料が振り込まれる『帝和銀行』のATMの前で、伊集院さんとバッタリ会ってしまった。

「間宮久しぶりだな」

それが彼の第一声。

「相良さんから全部訊きました」と私は返した。
彼は相良さんに依頼した仕事の内容も知っていた。
彩華に代わって、私が猪原先輩に復讐しても…二人はもう元の鞘には戻れない。

それに、彩華も喜ばない。

伊集院さんの言う通りかもしれない。

でも、私は親友として彩華の苦しさに気づいてあげられなかった。何かしてあげたかった。

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