あなたしか愛せない~皐月お兄ちゃん編~
「えー!?生徒に告白された!?」
ビク!
「しっ!声が大きい」
って、何で俺がビクつかなきゃいけないんだ。
「皐月、どうしたの?何か動揺してない?」
神戸が顔を覗き込んでくる。
「…してないよ。ちょっと呑みすぎてるだけだ」
「ふーん」
夏帆はまだ中学生で俺の生徒ではないし、あれは結婚の約束でってー…
何自分に言い訳してんだ、俺は。
「で、どうしたんだよ?」
「もちろん断ったに決まってんだろ!付き合ったりしてみろ、懲戒免職どころじゃないぜ!逮捕だ、逮捕」
ドクン、ドクン。
だから、動揺するなって俺!!
「ねぇ、皐月。今日はもう帰ったほうがいいんじゃない?」
「あ?あぁ…そうだな」
心臓に悪いから、帰るか。
「私も帰るからタクシー拾ってくるわ」
「あぁ、悪い」
周りに挨拶を済ませると、先に出て行った神戸の後を追った。