あなたしか愛せない~皐月お兄ちゃん編~
「皐月…じゃなかった、有岡先生。おはようございます」
入学式当日。
「神戸先生。おはようございます」
職員室で準備をしていると、神戸が来た。
「この日を楽しみにしてましたよ。一緒の学校で働けるなんて、夢が叶いました」
「そうですか…」
「有岡先生は嬉しそうじゃないですね?」
じっと、神戸に見つめられる。
「そ…そんなことないですよ。あ、職員会議始まるみたいですよ?行きましょう」
その視線から逃げるように顔を背け、先生方が集まっている所へ向かう。
神戸は鋭い。
すぐに、バレテてしまう。
それと、夏帆の顔を覚えてなきゃいいんだけど…