あなたしか愛せない~皐月お兄ちゃん編~
生徒二人が出て行ってしまった後は、騒然としていた。
予定より早めに式を切り上げ生徒たちは教室待機、すぐに職員会議が行われた。
「抜け出した生徒は、神戸先生のクラスの生徒です」
「!」
夏帆が神戸のクラスだったなんて、今初めて知った。
って、そんなことで驚いている場合じゃないー…
「すいません。すぐに探してきます」
神戸が謝り、生徒を探しに出て行こうとするがー…
「いや、ここは有岡先生」
「!…はい」
「田島先生と鈴木先生の3人で探しに行き、すぐに生徒指導室へ」
生徒二人に、男の先生が3人も?
「金髪の生徒は寺田と言います。中学の時から素行が悪く、キレると手につけられないとか…頭は良いみたいですが」
頭が良い不良か?
「あの女子生徒は、平 夏帆です。真面目な生徒だったらしいのですが…寺田と一緒に出て行ったところを見ると、友達なのかー…」
「それはありません」
は…しまった。
と思っても、遅い。
先生方の注目の的となっている。
「あ…いや、私が見た感じだと無理やり連れて行かれたような感じに見えたので…それはないかなと」
「私もそう思います。中学も違いますし、接点がありませんから」
すかさず、神戸も同意してくれた。
助かった…
けど、今ので神戸も気付いたかもしれない。
平 夏帆が、あの夏帆だってー…