あなたしか愛せない～皐月お兄ちゃん編～

「…じゃあ、今追いかけるのはよくないわ。一度冷静になりなさい」


また腕を強く掴まれた。


「神戸！」

今度はそれを振り払い、後ろを振り返った。


「…あ」


文句を言おうと思っていたのに、言葉を見失ってしまった。


「あの子は今、冷静じゃないわ。追いかけて騒ぎになったらどうするの？守りたいんでしょ？あの子を」

神戸の目には、涙が溜まっていた。



「かん…」

「皐月の想いはよくわかったわ。私が好きで付き合ってくれたわけじゃないって」


ドクン。


「…っ」


「何も言わないってことは、本当ね」


「神戸、ごめ…」

「謝らないで。謝ったら、私がフラれたみたいじゃない」

そう言い、涙を拭く神戸。




「私が皐月を振るの。こんなロリコン男、ゴメンだわ」




神戸ー…


「男としても、教師としても最低」


う…



言われてもしょうがないが、グサッとくる。