あなたしか愛せない～皐月お兄ちゃん編～

「…守りたいなら、あの子が卒業するまで我慢しなさい」

「！」

どんっと神戸の拳が、胸を叩いた。


「まだ15歳よ、未来があるの。これから色々なものを見て、経験していくの。視野を狭めるようなことはしちゃだめよ。これは同僚としての忠告」

「…あぁ。わかってる」


「あと…」


パチン！


「いてっ」

今度は頬に、平手打ち。


「女を泣かせる男なんか最低よ。時間を置いて、ちゃんとあの子に謝りなさい。卒業する前に捨てられても知らないからね。ちなみに、これは女としての忠告ね」



そう言った神戸は腕を組み、いつもの強気な神戸に戻っていた。



「…あぁ。ありがとな」


謝るとまた怒られそうだから、お礼にしといた。


本当は謝りたかったけど、それは自己満足でしかない。



これ以上、最低な男になりたくないからな。




しっかりしないとな、俺ー…