ずっと前にね
自分が二枚目であるかどうかは置いておくが、口も目付きも態度も悪いのはもちろん。性格も悪い俺を好いてくれる人なんていたもんじゃないんだよな。
家族は血の繋がりという不思議な絆だけで俺を好いてくれるけれど、赤の他人と来ればそうも行かない。卒業した今でも先生と慕ってくれている千里を大切にしなくちゃいけないな。

「料理もまぁまぁだしね」

「普通だね」

「可もなく不可もなく。もう少し上手く作んなさいよ!」

「じゃあ食うな!」

トーストとオムレツとサラダとコーヒーを作って出したのに文句か。千里なら文句一つ言わずに美味しいと言って食べてくれるんだろうな。3人には明日から絶対作ってやんねぇ。そう思っていると教室にいるはずの母が上がってきた。
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