ずっと前にね
俺たちはカシザキや先生方の手を借りながらいつも色んな場所から下校していた。こんな生活がいつまで続くのだろうと少し億劫になる日もあるけれど、思い出すのはいつも島岡先輩の笑顔だった。
島岡先輩の笑顔があったから、俺たちは良い演奏が出来たんだ。島岡先輩の笑顔があったから、俺は緊張して上がる事がなかったんだ。島岡先輩がそこにいたから、俺はここにいるんだ。
島岡先輩と会ったあの楽器屋へ暇潰しに行ってみると、会った頃と同じように背伸びをして譜面を取ろうとする島岡先輩の姿があった。けれど、今回は三脚を使っている。
さすがに2年前のように取れないという事は無いだろう。そう思って近寄っておいて正解だった。譜面を引き抜くと同時にバランスを崩し、床に倒れてしまいそうになったんだ。
そのまま手を伸ばして体を受け止める。ただその時に香ったシャンプーの匂いが俺の胸をときめかせた事は言えない。
「大丈夫ですか!?」
島岡先輩の笑顔があったから、俺たちは良い演奏が出来たんだ。島岡先輩の笑顔があったから、俺は緊張して上がる事がなかったんだ。島岡先輩がそこにいたから、俺はここにいるんだ。
島岡先輩と会ったあの楽器屋へ暇潰しに行ってみると、会った頃と同じように背伸びをして譜面を取ろうとする島岡先輩の姿があった。けれど、今回は三脚を使っている。
さすがに2年前のように取れないという事は無いだろう。そう思って近寄っておいて正解だった。譜面を引き抜くと同時にバランスを崩し、床に倒れてしまいそうになったんだ。
そのまま手を伸ばして体を受け止める。ただその時に香ったシャンプーの匂いが俺の胸をときめかせた事は言えない。
「大丈夫ですか!?」