ずっと前にね
まぁ、どうしても諦めなかった時の最終手段としてだけどな。まさか、俺のごたごたに千里まで巻き込むわけにはいかないだろう。

「・・・、・・・。あの、これ。見ていただけませんか?」

深呼吸をしたかと思うと、千里は紙袋から1枚の封筒を取り出した。そして、中を見るよう俺に頼んだ。俺は言われるがまま、その封筒の中身を取り出して内容を確認した。

「なんだ、これ」

封筒の中に入っていた便箋には、“柏崎結羽に近付くな”と書いてあった。封筒には千里の名前が書いてあるだけで誰からの手紙なのかは分からない。
さらに封筒の中を確認すると猫の死体の写真が数枚入っていた。これにはさすがに吐き気がしたが、重要なのは写真の裏に書かれていた言葉の方だ。たぶん、これが俺に相談した理由なんだろう。
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