ずっと前にね
写真の裏にもこのまま関わるのなら私の命を奪いに来るって書いていた。例え柏崎先生が警察官であるお姉さんに知らせた事を知られなくても柏崎先生から離れるつもりはない私の危険が無くなった訳ではない。結局、命を奪われる人が変わるだけで誰かの命が危ない事には変わりない。

「島岡、こればかりは健の言う通りだ。1番危険な立場にいるのは島岡なんだぞ?お前が死ぬかもしれないんだぞ」

そんなの分かってる。私が死ぬかもしれない事は分かってる。死ぬ事だって怖いし、少しでも良いから長く生きていたい。でも、あの人の罪をそれだけで済ませる事が出来るならって思わなくないの。
もし、私が死ぬ事で他の人に手を出さずに済むのだとしたら。もし、私が死ぬ事で祖父母や柏崎先生が死なずに済むのなら。そう考えると自分の死をどうしても捨てきれない。
このままでは亡くなってしまう人々が、私の死によって助かるのなら。もしそうなるのだとしたら。
< 198 / 260 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop