ずっと前にね
けれど、恋人でもない俺に嫉妬する権利なんて無いんだよな。冷静に考えればすぐに分かる事だ。俺に彼女の行動を狭める権利は無いんだ。

「俺、友達待たせてるんで帰ります。島岡先輩もどうですか?」

あぁ、恋しているんだな。普段、人を誘わない隼人が千里を一緒に帰らないかと誘っている。もし千里が隼人に恋をしていたのなら申し訳無いが、一緒になんて帰らせないぜ。

「悪いな、島岡はこれから俺の手伝いだ。隼人、気を付けて帰れよ」

「うっす」

少し残念そうに音楽室を出ていく隼人には大人気ない事をしてしまったと思っている。恋を邪魔するような事をして申し訳無い気もするが、許してくれ。お前と一緒で俺も千里と一緒にいたいんだ。同じ部屋で同じ時間を一緒に過ごしていたいんだ。
< 37 / 260 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop