ずっと前にね
皆の輝きが増すに連れ、私の不安は大きくなっていった。こんな私が本当に出て良いのか。更に皆を苦しい立場に追い込んでしまうのではないだろうか。
私なんかと一緒に弾いて、柏崎先生にこれ以上迷惑をかけてしまったらどうしよう。どうして私なんかとって責められて疲れさせていないかな。疲れさせる事にならないのかな。

「なら、夏休み中は別れて練習な。一緒に弾く曲は休み明けに合わせて弾く事にしよう」

「だな!何の曲にする?」

「あ、俺、あれやりたい」

「僕もやってみたい曲があるんだ~♪」

「俺もあります!」

頑張ろう。私に向けてくれた柏崎先生の笑顔がそう言ってくれているような気がした。
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