ずっと前にね
自分一人で突っ走って周りを困らせる健が俺に何の用なんだ。不思議に思って、仕事を片付けながら電話をかけてみた。
「あ、カシザキ?俺、俺」
勝手に物事を決めてしまう悪い癖を持つ健だが、決して悪い奴じゃないんだ。興奮して勝手に決めてしまうだけで、冷静になったら結構素直で良い奴なんだよな。
「健か?なーした?」
その一面が分かるまでは千里のように苦手だと思う人もいるらしい。何となく分からなくは無いが、どこか勿体無い気もするな。
「いや、その。・・・無理に誘って悪かった。夢にも謝っておいてくれねぇかな」
夢、か。俺も言ってみたいな。下の名前である夢華と呼んで振り返る千里の顔を見てみたい。千里の事だ。恋人同士なら照れたように笑ってくれるんだろうな。
「あ、カシザキ?俺、俺」
勝手に物事を決めてしまう悪い癖を持つ健だが、決して悪い奴じゃないんだ。興奮して勝手に決めてしまうだけで、冷静になったら結構素直で良い奴なんだよな。
「健か?なーした?」
その一面が分かるまでは千里のように苦手だと思う人もいるらしい。何となく分からなくは無いが、どこか勿体無い気もするな。
「いや、その。・・・無理に誘って悪かった。夢にも謝っておいてくれねぇかな」
夢、か。俺も言ってみたいな。下の名前である夢華と呼んで振り返る千里の顔を見てみたい。千里の事だ。恋人同士なら照れたように笑ってくれるんだろうな。