ずっと前にね

嫌われた

あの女の人の車に着くと、先生は助手席に私を乗せて走り出した。二人乗りの車だからそれは当たり前なんだろうけれど、今は後部座席に乗って距離を少し起きたかった。
きっと義父や兄と関係があった事を悟られた。汚れた体なんだと思われた。気付かれてしまった。きっと嫌がっている。今も出来るなら私を置いて先に高校へ戻りたいと思っているんだ。
なんで今日に限って来るのよ。正月も長期休みも来なかったじゃない。なのになんで、今日に限って来たりしたのよ。なんで今日なのよ。
今日の朝、高校に行く前に皆は来た。祖父母から学校祭に出ると聞いて来てみたんだと何もなかったような白々しい笑顔でやって来たんだ。
頭が真っ白になって、どうしようって思考回路が止まって。何とか口に出せた言葉が祖父母へ向かって言ったいってきますだった。
それから何をどうやって高校に着いたのか、どうして病院で眠っていたのか分からなかった。
< 71 / 260 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop