ずっと前にね
五章・卒業
前を向かなくちゃ
賑わう教室に空っぽの音楽室。これから、私たち吹奏楽部は卒業ライブを体育館で行う予定になっている。学校祭の時と同じ一時間。でも、今度は柏崎先生がいない。私たちだけの演奏。
「先、行ってるぞ!夢!」
「あっ、うんっ!」
少し寂しくなっている私の頭を軽く叩いてステージにかけ上がっていく唯野 健。突っ走って周りに迷惑をかけるけど、強くて優しい部長で幼馴染み。
「また後でね、夢先輩♪」
「あ、えっと。また後で?」
驚いている私の両手を握って八重歯を見せながら笑う畑山 叶多(はたやま かなた)。ちょこちょこっと小走りでかけ上がっていく女の子っぽい見た目とは裏腹。男気溢れて力強い後輩で、私を一番好いてくれているお友達。
「先、行ってるぞ!夢!」
「あっ、うんっ!」
少し寂しくなっている私の頭を軽く叩いてステージにかけ上がっていく唯野 健。突っ走って周りに迷惑をかけるけど、強くて優しい部長で幼馴染み。
「また後でね、夢先輩♪」
「あ、えっと。また後で?」
驚いている私の両手を握って八重歯を見せながら笑う畑山 叶多(はたやま かなた)。ちょこちょこっと小走りでかけ上がっていく女の子っぽい見た目とは裏腹。男気溢れて力強い後輩で、私を一番好いてくれているお友達。