ずっと前にね
俺の場合、皆でじゃなく千里と二人で一緒にいたかった。あの音楽室で譜面を書いたり、俺のピアノに合わせて千里が歌ったり、千里の弾くギターに合わせて一緒に歌ったり。まだ色んな事をして楽しんでいたかった。
それももう、出来ないんだな。千里は俺の実家にいるただのギターの講師、俺は千里の元副担任で部活の元講師。高校にいる時よりは人の目を気にせずに会えるようにはなるけれど、接点が無くなってしまった気がして会いづらくなる。二人っきりになる口実が簡単に作れなくなる。
状況が変わってしまうというだけで、俺の心はよじれてしまいそうだった。彼女と会いづらくなるのは分かっていた。だから、実家で働かないかと言ったのにそれすら後悔している。
本当にこれで良かったのかと分からなくなっている。これからもこうやって愚痴を言い合える仲でいられるのかと怖くなっている。若い頃みたいに、期待に胸を膨らます事が出来なくなっている。
「千里はよ」
それももう、出来ないんだな。千里は俺の実家にいるただのギターの講師、俺は千里の元副担任で部活の元講師。高校にいる時よりは人の目を気にせずに会えるようにはなるけれど、接点が無くなってしまった気がして会いづらくなる。二人っきりになる口実が簡単に作れなくなる。
状況が変わってしまうというだけで、俺の心はよじれてしまいそうだった。彼女と会いづらくなるのは分かっていた。だから、実家で働かないかと言ったのにそれすら後悔している。
本当にこれで良かったのかと分からなくなっている。これからもこうやって愚痴を言い合える仲でいられるのかと怖くなっている。若い頃みたいに、期待に胸を膨らます事が出来なくなっている。
「千里はよ」