大切な友達
そして、夏休み。

美里に会う前の日。
私は近くのお店で美里へのプレゼントを買いに来ている。

「ど・・・どうしよ」
1人で買いに来るなんてめったにないから、すごく困る。

お店中ぐるぐると回っていると、あるものが目に入った。
「レターセット・・・」
んー、レターセットでもいいかな。
たくさんある中の1つ1つを手に取る。

「違う・・・んー?これ・・・ちょっと違う・・・これ?こっちのほうが・・・んー」
ボソボソと独り言を言っていると、少し離れたところで小さな女の子がこちらをジーッと見ているのに気づいた。

あ、独り言ね・・・
あー、マジで恥ずかしいし!

また、レターセットを手に取り、選んでいく。
い・・・いつまで見てるの?
私はチラッと視線を女の子の方に向け、目をそらす。
そして、また選んでいく。
まだいるよ・・・
いつまでいるのかなー。
ていうか、1人で何してるの?
迷子とか?
でもこの小さい店で迷子はあり得ない・・・
視線気になるから・・・早く「ミサトー、ミー」

少し遠くで30代ぐらいのおばさんが叫んでいる。
それに反応した私は、そちらを見た。
すると同時に、さっきまでそこにいた女の子が、おばさんのほうへ走っていった。
そして2人で何やら話をしているようだった。
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