誠の華−ヒルガオ−
「これこれ、吉田はん。女子にそないな言葉を使ってはあきまへん。彼女らやって気張ってはりました」
「頑張ったって結果が出なきゃ意味がない。今お前のその鼻に付く京言葉を聞くと余計に腹が立つ!!黙れ!!!」
「わては母上の口から産まれたさかいに黙ることはできまへん。堪忍な、吉田はん」
「おい古高、その辺にしとけ。稔麿の暴走を止めんのは骨が折れる」
「堪忍な高杉はん」
取り敢えず今出てきた男たちの名前は坂本、吉田稔麿、古高、高杉。
吉田と高杉は新撰組でもよく耳にする名前だったから分かっていたが坂本と古高は初耳だった。
「中山、お前はあの計画を本当に実行できると思うか?」
「当たり前でございます!我らが志を諦めぬ限り、我らの大望に失敗など起こるわけがありません!!!」
「おい、そこのお暑いの。まだ本物の戦も目にしたことのない若坊主の考えなしの提案に俺は賛成しないぞ」
中山と呼ばれたこの部屋で一番若そうな青年と少し膨よかな男の会話に鋭利な言葉を刺す男が室内の空気を凍らせた。