誠の華−ヒルガオ−
その頃、二階では二人の天才が対峙していた。
「沖田総司、壬生狼一腕の立つ男だと聞いていたが…思っていたよりもずっと弱そうだな」
「それはお互い様だろ。僕だってお前がそんな女みたいな顔だとはこれっぽっちも思っていなかったさ、吉田稔麿?」
「うるさいっっっ!!!!!」
ガキンッ ガキンッ
多くの同志を殺され、更に沖田の安い挑発に乗せられた吉田の剣は安定感がなく、総司に全てかわされた。
だが、吉田は沖田と違い既に死を覚悟している。
その為に彼から出る力は凄まじいもので、沖田が多少の切り傷をつけたところで全く動じない。