誠の華−ヒルガオ−
真夏の春
ー沖田sideー
愛刀、菊一文字で人を斬る度に吐血を繰り返す。
僕の体は病に蝕まれているのか?
頭で話は理解している。
なのに気持ちがついてこない。
どうしようもないこの気持ちを晴らすかのように次々と襲ってくる浪士達をなぎ倒す。
畜生……っ!!!
『総司…』
するとどこからか愛しい人の声が聞こえた。
不思議だ。
彼女の声を聞いただけで霧が風で流されるようにさっきまで感じていた憤りがスーッと流されたように感じる。
『総司…早く起きて……』
雪、待ってて。
今目覚めるよ。