誠の華−ヒルガオ−



しばらく観察していると雪は僕の額に乗っている手拭いを取り替えるためか、近くにある桶に入っていた手拭いを絞り始めた。


そして目を開けている僕の顔をみるなり雪は元々大きかった瞳をより一層大きくした。


「総司!!」


「「なにっ?!」」


雪の声に飛び起きた一君と平助。


みんな寝起きなのに随分元気だね。


「おはよう」

「おはようじゃないわよ馬鹿総司!!心配したんだから!!!」


てっきり涙でも流してくれるのでは、と期待したが現実はそう都合よく行かないようで雪にしては大分手加減された(それでも痛い)平手を食らった。


寝込んでる人にそこまでする?


「医者が熱中症って言ってたよ」


平助の声が聞こえ、僕は思わず目が点になる。


< 132 / 258 >

この作品をシェア

pagetop