誠の華−ヒルガオ−
「すいません、寝込んでしまって。今日から復帰します」
「いや、いい。今日は一番組を休みにする。付きっきりで看病を続けた雪もゆっくり休め。明日からはまた働いてもらうからな」
「「ありがとうございます」」
歳さんはなんだかんだ言いながら僕達には甘いな、なんて思いながら笑みを浮かべる。
僕の体調を考慮してみんなは早急に部屋を出て行き、気付いたら雪と2人きりにになっていた。
「付きっきりで看病してくれたって本当?」
「そりゃあね、心配だったし。総司に倒れられちゃおミツお姉様に叱られそうだし」
ぶるっと身震いをする彼女の白く細い腕を掴むと僕は腕の中に抱き寄せた。
「…へっ?!どうしたのいきなり!!」
「ありがとう、雪。それに心配かけてごめん」
そう言うと若干強張っていた雪の体が緩むのと同時にホッとしたような溜息が聞こえ、彼女も僕を抱きしめ返してくれた。
「本当に心配だった。ごめんって思ってるなら早く元気になってよ。もう倒れないで」
「わかった」
スパーーーーーーンっっっ!!!
2人で昔みたいに額をくっつけて笑っていると突然襖が豪快に開けられた。