誠の華−ヒルガオ−




さっきのは一体なんだったの?!


平然を装っていたが限界が来た為、桶を持って井戸まで来たが拍動が止まらない。


今まで抱きしめたり抱きしめられたりしてもドキドキなんてしたことなかったのに。


なんでいきなり!!!!


真っ赤な顔で頭を抱えながらしゃがみこんだり立ち上がったりを繰り返す雪を訝しげに覗く者がいた。


「何だよお前…ついにおかしくなっちまったのか?」

「ぬぉっーーー?!?!」


見られていたことの恥ずかしさと急に声をかけられ驚いて変な声が出た。


「しかも何だその顔は。天狗みたいに真っ赤だぞ」


「……天狗…」


土方の侮辱で落ち着きを取り戻したが花も恥じらう乙女を天狗呼ばわりした事に腹が立ち、水の入った桶ごと土方に投げつけた。


バシャッ ゴンッ


しかし難なくよけられてしまい、桶と水はたまたま通りかかった数馬に見事命中した。


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