誠の華−ヒルガオ−



「チッ、外したか」

「てんめぇ…」

「あ、桶返して」


水に濡れたから…ではなく、怒りに震える数馬から桶をひったくり新しい水を入れると風の如く走って総司の部屋へ向かった。


「…土方さん……、俺いつか雪のこと殺しちまいそうです。その時は介錯をお願いします」

「相手が雪なら切腹にはしねえよ」


その場に残された土方と数馬がこんな話をしていたことを雪は知らない。


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