誠の華−ヒルガオ−
「藤堂はんの気持ち、ちゃんと考えたんどすか?」
平助の気持ちなんて考えていなかった。
一君が鐔を買ってくれた時もそう。
申し訳なくて初めは喜べなかった。
「殿方はな、女子に喜んで欲しくて贈り物をするんよ。せやさかいお雪はんも何か頂いたらとびきりの笑顔を見せてお礼を言えばええんどす。ほな、分かったら藤堂はんに着飾った姿を見せて着なはれ」
背中をドンっと押されると一度女将さんを振り返り、「ありがとう」と言った。
久しぶりの着物で歩幅が狭くなり、急ぐと躓きそうになるが足元に気をつけながら外で待つ三人の元へ急ぐ。
「へいす…っ……わあっ!!!」