誠の華−ヒルガオ−
もう一度お礼を言って主人から首飾りを受け取ると三人に一つずつ手渡していく。
「こんな素敵な石を頂ける程の事はしてないから貰うのに引け目を感じるのは分かるけどわざわざ私達のためだけに作ってくれたのよ?受け取らないのは逆に失礼でしょう」
すると私の言葉に納得してくれたのかそれぞれは自分でそれを首にかけた。
「おおきにありがとうございました!!」
主人の声を背に受けながら屯所への帰路に着く。
たーこいずを夕日にかざしてみると黄金色の箇所がわずかに反射する。
「四人でお揃いなんて初めてだね。一生大切にしなきゃ」
「そうだね。店の主人にも感謝しないと」
「楽しかった非番ももう終わりかー」
平助が伸びをしてそのまま組んだ腕を頭の後ろに乗せながら言う。
ただ四人でお店を巡っただけだったけど私だけじゃなくて他のみんなも楽しんでくれていた事が嬉しかった。
「次の非番はみんなでどこに行こっか」
京の夕日が私達四人を見守るように影を作り出していた。