誠の華−ヒルガオ−
『うぁ〜〜〜〜〜ん!!』
千代の家は火に包まれていて今にも崩れ落ちそう。
中へ踏み込もうとすると誰かに肩をギュッと掴まれた。
「やめとけ。あの子は助かりやせんよ」
振り返ると着物の端々が破けたおじいさんが眉を寄せて言った。
「私は新撰組。市民を救うのが仕事です」
おじいさんの腕を振り切って中へ踏み込む。
「ケホッケホッ、千代ーーー!!」
煙を出来るだけ吸わないように口元を覆いながら千代を探とそれは二階から聞こえて来た。
ズボッッッッ
今にも崩れ落ちそうな階段を駆け上がると最後の二段のところで底が抜けた。
「…っ、危ない。気をつけないと」
激しく脈打つ心臓を宥めながら二階の部屋を片っ端から開けて行く。