誠の華−ヒルガオ−
天井から落ちて来る火の塊を避けながら奥の部屋まで何とか進む。
「ケホッケホッケホッケホッ…」
煙を吸いすぎたせいで体力が落ちて行くのがよく分かる。
でも私が倒れたら確実に千代も危ない。
体に鞭を打ちながら雨戸を渾身の力を込めて蹴破る。
「千代、少し揺れるけど私が守るから心配しないでね」
「……へ…ぇ……」
千代が返事をしたのを確認すると二階の雨戸から地上へ飛び降りる。
「ぬお”っっっっっっ!!!!」
着地は決まったものの膝への負担が思ったより激しかった。
「おい、見ろ!新撰組だ!!!」
「…っ、勘弁してよ!!」