誠の華−ヒルガオ−
心の中で賞賛していると前方から煤まみれの平助と一君が来た。
「雪、怪我してない?大丈夫?」
「うん、総司が助けてくれたおかげで私は無傷!」
心配してくれている平助にそう言うと二人は一瞬だけ目を見開いて私と同じように息を吐いた。
きっとここにいるはずのない総司の名前が出て来て呆れているのだろう。
お気持ちはよくわかります。
「まぁ、初めからあいつがジッとしていられるとは思ってなかったがな」
「酷いなぁみんな」
一君が毒付いでいると頭にたんこぶを二つほど乗せた総司が帰還した。