誠の華−ヒルガオ−




それからその日はもうお祭り騒ぎだった。


急遽宴を開くことになり今はおふでさんに頼まれて平助とお使いに来ている。


「おやまぁ、お雪じゃないかい!あんた勝手にいなくなって心配かけるんじゃないよ!!」


私たちの行きつけだった甘味処の前を通ると女将に呼び止められた。


相変わらず元気なその姿に口角が上がる。


「ごめんね、心配かけて。結局みんなを追いかけちゃった」


「全く…本当に勇ましい女子だねえあんたは。平ちゃんも噂は聞いてるよ!魁先生だなんて言われているんだって?私も鼻が高いわ、新撰組に知り合いがたくさんいるだなんて!あっはっはっはっは!!!」


京に戻る前に一度食べにくる約束をして女将とは別れたが、その後も多くの人達に囲まれる。


買い物を済ませた私達は久し振りに河原へ来ていた。


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